函館塩ラーメンを核にした商品展開 町おこしにつながる活動にも取り組む
食の歴史とともに歩む道南の老舗製麺会社
製麺会社「日の出製麺」は創業1927年の老舗。ラーメン、うどん、そばと麺ごとに独立した製造ラインを持ち、函館市内のスーパーや食堂、道内のラーメン店などのほか、道南の学校給食にも麺を納品している。創業当初は「日の出うどん」の名で庶民の味として親しまれていたうどん、そばを製造販売。徐々に函館市内の中華料理店から南京そば用として、ラーメンに良く似た麺のオーダーを受けるように。戦後、ラーメンが日本の国民食として定着した頃にラーメンの製造を本格化させた。道産小麦を主原料に、北斗市木地挽山の湧水を使い、モチモチとした食感、のど越し、風味を追求した同社の麺は小ロットからの製造が可能。小回りが利く強みを生かして、こし、太さ、ちぢれ具合など店のこだわりに合わせた細かいリクエストの受注生産にも対応している。1980年代、函館に観光客が増えてきたのを見越し、土産品として「函館塩ラーメン」をメインに、味噌味、しょう油味など即席袋麺の開発をスタート。研究を重ね添加物を出来るだけ減らした生麺は常温保存が可能で、風味の良さには定評があると言う。
青函名物の魅力満点 スタッフの感性が光る一品

函館しじみラーメン
青函ツインシティ提携25周年を記念し2014年に誕生した「函館しじみラーメン」は、青森県産のシジミ、同田子町産ニンニク、同社の函館塩ラーメンがタッグを組んだ即席袋麺。宮川照平社長が青森県十三湖名物「しじみラーメン」に着想を得て、「青函の地場商品を組み合わせ、今までにないラーメンを」とこれまで取り引きのあった青森銀行を介して青森県の企業と連携、開発に着手した。最初は道産小麦2種類をブレンドした力強い麺の風味が、シンプルなシジミスープと合わず、味のバランスを調えるのに苦心。青森県のシジミ業者からのアドバイスを受け、スープにニンニクエキスをほのかに香る程度プラスすると、味にぐっと深みが増した。麺との相性も格段に上がり、滋味豊かな旨味が後を引く極上の一杯が完成。15年には函館圏優良土産品推奨会で函館商工会議所会頭賞を受賞、20年7月までに約12万6000袋を売り上げる人気商品に成長した。開発に当たっては「発想が柔軟な若いスタッフたちに任せた」と言い、パッケージにもスタッフたちの努力と感性が光る自慢の商品だと胸を張る。塩ラーメンで町おこし 自然環境にも配慮

日の出製麺株式会社 代表取締役 宮川照平さん
函館塩ラーメンは、透明感のある清湯スープに中細麺、シンプルな味わいが最大の特徴。宮川社長は「たおやかで包み込むような優しい味」と表現し、「塩ラーメンをキーワードに函館の歴史とリンクさせて、町おこしのプラスに出来れば」と、スタッフと力を合わせ、新たな顧客を生み出すニーズを探る。今年、函館圏優良土産品推奨会奨励賞に選ばれた「函館生ラーメン岩塩入り塩味」のほか、「はこだて散歩道しお味」「函館生ラーメン焼塩味」などのオリジナル商品をはじめ、道内人気ラーメン店とのタイアップ商品も手掛け、多種多様な「塩ラーメン」の開発に注力。函館市内土産店、全国百貨店、自社ホームページでの販売、北海道物産展にも足を運び、食を通じて函館の風を届けてきた。また、食を担う企業として、ゴミの分別の徹底、環境汚染に繋がる食品ロスを極力減らすなど環境にも配慮。「需要にマッチした商品作りと自然との共生を両立させて、次世代に繋いでいくのは我々の責務」と断言する宮川社長の真摯な姿勢は、信頼される商品作りに結び付いている。

道産小麦が主原料の麺

日の出製麺株式会社
工場・事務所/北斗市萩野33‐83
☎0138‐77‐8189
http://www.hinode-seimen.co.jp/
*この記事は電子版 函館新聞 様より引用させていただきました。
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